戦闘機・戦闘攻撃機 
Su-30MKI
概要
Su-30MKIはインド空軍が運用する長距離多目的戦闘機。軽多目的戦闘機であるテジャスとハイローミックス運用される戦闘機で、ハイに相当する機体である。
詳細な能力
兵装
Su-30MKIは固定武装として、旧東側戦闘機で一般的に使用されていたGSh-30-1機関砲を搭載している。古典的な単砲身反動利用式の機関砲であるGSh-30-1は重量50kgと、同口径の西側機関砲と比較して非常に軽量である。通常は、曳光徹甲弾と徹甲焼夷弾を混合した鋼製のベルトリンクを用いて給弾する。30×165mm弾を使用し、空中目標に対する有効射程距離は最大800m、地上目標に対する有効射程距離は最大1800mである。毎分1800発のレートでの射撃が可能である。
ハードポイントは主翼下に8か所、主翼端に2か所、胴体中心線下に2か所、エアインテーク下に2か所の合計14か所である。翼端の2か所は短距離AAMまたは電子戦ポッドのみ搭載可能である。
中距離空対空ミサイル(AAM)としては、ロシア製の中距離AAMであるR-27系列とR-77系列のミサイルが使用可能である。R-27は西側のAIM-7スパローに、R-77は西側のAIM-120AMRAAMに類似した特性を持つミサイルである。特に強力なのは、R-77M-PDと呼ばれるラムジェット推進型の中距離AAMで、およそ160kmの射程を有している。なお、現在インド空軍は「アストラ」と呼ばれる射程180km~200km級のラムジェット推進式中距離AAMを開発中で、この「アストラ」もSu-30MKIには装備可能とされている。
短距離AAMとしては、同じくロシア製のR-73系列が使用可能である。R-73は中心線±45度の視野角を持つ赤外線誘導式の短距離AAMだが、機体側の赤外線捜索追尾システム及びヘッドマウントディスプレイからなる照準システムとリンクすることによって、オフボアサイト射撃能力を有している。また、2000年よりインドが開発を進めている「ナーガ」短距離空対空ミサイルについても、Su-30MKIに統合可能とされている。
空対地ミサイルとしては、ロシア製のKh-25、Kh-29、Kh-58、Kh-59が、空対艦ミサイルとしてはロシア製のKh-31、Kh-35に加え、ブラモス巡航ミサイルが搭載可能である。ブラモス巡航ミサイルはミサイル輸出規制レジームの影響で射程が300kmに抑えられているが、改良型のブラモスIIではこの制限を解除し700kmの射程を有することになるだろうと考えられている。この他、対戦車ミサイルまたは対舟艇ミサイルを搭載した多連装ランチャーや、各種ロケット弾専用のポッドを搭載することもできる。
爆弾としては、100kg、250kg、500kg、1500kgの各種誘導/無誘導の爆弾を使用可能である。誘導爆弾を使用する際には、後述する照準用のポッドを使用する。これに加えて、核出力0.5~250ktの威力可変型の軽量核爆弾(重量およそ250kg)が搭載可能である。
ガンポッドとしては、GSh-30-2機関砲を搭載できる。GSh-30-2は30mm口径の航空機関砲であり、2つの砲身が交互に弾丸を発射する独特の作動機構を有している。3000発/分の発射レートで30×165mm弾を発射することができる。通常は対装甲用の徹甲焼夷弾と軟目標用の焼夷榴弾を1:4の割合で混合した弾薬ベルトを使用する。
SEAD任務にも対応するため、翼端の短距離AAM用レールにSu-34などと同様の「ヒービヌィ」ジャミングポッドを搭載可能である。
武装は最大で8000kgまで搭載することができる。
ハードポイントは主翼下に8か所、主翼端に2か所、胴体中心線下に2か所、エアインテーク下に2か所の合計14か所である。翼端の2か所は短距離AAMまたは電子戦ポッドのみ搭載可能である。
中距離空対空ミサイル(AAM)としては、ロシア製の中距離AAMであるR-27系列とR-77系列のミサイルが使用可能である。R-27は西側のAIM-7スパローに、R-77は西側のAIM-120AMRAAMに類似した特性を持つミサイルである。特に強力なのは、R-77M-PDと呼ばれるラムジェット推進型の中距離AAMで、およそ160kmの射程を有している。なお、現在インド空軍は「アストラ」と呼ばれる射程180km~200km級のラムジェット推進式中距離AAMを開発中で、この「アストラ」もSu-30MKIには装備可能とされている。
短距離AAMとしては、同じくロシア製のR-73系列が使用可能である。R-73は中心線±45度の視野角を持つ赤外線誘導式の短距離AAMだが、機体側の赤外線捜索追尾システム及びヘッドマウントディスプレイからなる照準システムとリンクすることによって、オフボアサイト射撃能力を有している。また、2000年よりインドが開発を進めている「ナーガ」短距離空対空ミサイルについても、Su-30MKIに統合可能とされている。
空対地ミサイルとしては、ロシア製のKh-25、Kh-29、Kh-58、Kh-59が、空対艦ミサイルとしてはロシア製のKh-31、Kh-35に加え、ブラモス巡航ミサイルが搭載可能である。ブラモス巡航ミサイルはミサイル輸出規制レジームの影響で射程が300kmに抑えられているが、改良型のブラモスIIではこの制限を解除し700kmの射程を有することになるだろうと考えられている。この他、対戦車ミサイルまたは対舟艇ミサイルを搭載した多連装ランチャーや、各種ロケット弾専用のポッドを搭載することもできる。
爆弾としては、100kg、250kg、500kg、1500kgの各種誘導/無誘導の爆弾を使用可能である。誘導爆弾を使用する際には、後述する照準用のポッドを使用する。これに加えて、核出力0.5~250ktの威力可変型の軽量核爆弾(重量およそ250kg)が搭載可能である。
ガンポッドとしては、GSh-30-2機関砲を搭載できる。GSh-30-2は30mm口径の航空機関砲であり、2つの砲身が交互に弾丸を発射する独特の作動機構を有している。3000発/分の発射レートで30×165mm弾を発射することができる。通常は対装甲用の徹甲焼夷弾と軟目標用の焼夷榴弾を1:4の割合で混合した弾薬ベルトを使用する。
SEAD任務にも対応するため、翼端の短距離AAM用レールにSu-34などと同様の「ヒービヌィ」ジャミングポッドを搭載可能である。
武装は最大で8000kgまで搭載することができる。
アビオニクス
Su-30MKIのレーダーは、Su-30が搭載するバルスMパッシブフェーズドアレイレーダーにインドが独自で改良を施したもので、「バルスMI」と呼ばれている。バルスMIはRCS5�崢�度の目標に対しておよそ180kmの探知距離があり、16目標の同時追尾を行い、そのうちの6目標に対し空対空ミサイルを指令誘導することができる。中距離空対空ミサイル向けの「遠距離交戦モード」、短距離空対空ミサイル向けの「短距離交戦モード」、格闘戦時に使用され、走査角度を上下にも拡大して最初に発見した目標を自動でロックオンする「近距離交戦モード」、探知した目標のうち複数を指定して追尾し続ける「捜索中追尾モード」、反射波から目標を識別する「非協調目標認識モード」などの各種空対空モードを備える。さらに、長距離捜索モード、対地・対水上目標追尾モード、マッピング・距離測定モード、地形追従モード、ESMモード、高解像度マッピングモードの6つの対地・対艦モードが用意されている。およそ50km先の移動する戦車部隊やおよそ450km先の駆逐艦が検出可能で、地上や水上の2目標を同時に攻撃することができる。ESMモードでは敵レーダー波を持続的に受信し、その発信源を特定する。主に、対レーダーミサイルの発射に使用される。合成開口モードでは150km先の地形図を15m四方の分解能で作り出すことができる。特徴的なのは、各パーツがモジュール化されていることで、これによって整備とアップグレードが容易になっている。
Su-30MKIではこれを補完するため、「先進光学照準装置」として開発された照準ポッドを備えている。このシステムは機首上面に設置されており、これを後述するヘッドマウントディスプレイ照準システムと組み合わせることで、オフボアサイトでのAAMの発射などが可能となる。ポッドは、前方監視型赤外線装置、高解像度赤外線イメージセンサ、レーザー測距装置、レーザー目標指示・追跡装置、衛星航法装置、映像データリンク装置を統合しており、180kgの重量がある。前方監視型赤外線装置は640×512ピクセルの解像度で、夜間に周囲の状況を確認することにも使用される。赤外線イメージセンサはアクティブとパッシブ兼用で、追跡時には140km先、ヘッドオン時には90km先の戦闘機サイズの目標のエンジンが発する赤外線を捕捉でき、前方監視型赤外線装置で探知した目標に対して、攻撃が可能な分解能を提供する。レーザー装置類は、およそ20kmの有効距離を持つ。装置は多くがモジュール化されており、整備性は非常に高い。
照準は、従来のヘッドアップディスプレイとともに、ヘッドマウントディスプレイを併用する。前述した光学照準装置により敵の方角と距離を測定したのち、パイロットはその方角を感覚的に照準し、AAMやセミアクティブレーザー誘導兵器を発射することができるようになっている。従来、短距離AAMはシーカーの範囲内に敵を捉えてからしか発射できなかった。しかしSu-30MKIの兵装システムでは、レーダーや、赤外線イメージセンサとレーザー測距装置によって目標の大まかな位置を短距離AAMに伝達、短距離AAMはこの情報をもとに飛行することができる。これによって、発射時に短距離AAMが目標を捉えていなくとも目標を攻撃可能としており、ドッグファイトなどにおいて非常に大きなアドバンテージとなっている。
自己防御装置は、「統合防御処理装置」を中核に構成されている。レーダー警戒受信機、レーザー警戒受信機、紫外線ミサイル警報装置、ミサイル妨害装置、チャフ・フレアディスペンサ、曳航式デコイを統合している。レーダー警報受信機は敵戦闘機やミサイルのレーダー波を検出して警告を行う。レーザー警戒受信機はレーザーが照射されていることを検出して警告を行う。紫外線ミサイル警報装置は、接近してきたミサイルを紫外線領域で発見する。ミサイル妨害装置は、ECMによって敵ミサイルを妨害するものである。チャフ・フレアディスペンサは敵ミサイルに対し、チャフとフレアを展開する。曳航式デコイは、受信した電波を増幅して返すことで、母機の位置を欺瞞し敵ミサイルを誤った位置に誘導する。
通信システムとして、地上の施設を介さずに機体間で戦術情報を共有可能な編隊内データリンクシステムのデータリンク端末を搭載している。
Su-30MKIではこれを補完するため、「先進光学照準装置」として開発された照準ポッドを備えている。このシステムは機首上面に設置されており、これを後述するヘッドマウントディスプレイ照準システムと組み合わせることで、オフボアサイトでのAAMの発射などが可能となる。ポッドは、前方監視型赤外線装置、高解像度赤外線イメージセンサ、レーザー測距装置、レーザー目標指示・追跡装置、衛星航法装置、映像データリンク装置を統合しており、180kgの重量がある。前方監視型赤外線装置は640×512ピクセルの解像度で、夜間に周囲の状況を確認することにも使用される。赤外線イメージセンサはアクティブとパッシブ兼用で、追跡時には140km先、ヘッドオン時には90km先の戦闘機サイズの目標のエンジンが発する赤外線を捕捉でき、前方監視型赤外線装置で探知した目標に対して、攻撃が可能な分解能を提供する。レーザー装置類は、およそ20kmの有効距離を持つ。装置は多くがモジュール化されており、整備性は非常に高い。
照準は、従来のヘッドアップディスプレイとともに、ヘッドマウントディスプレイを併用する。前述した光学照準装置により敵の方角と距離を測定したのち、パイロットはその方角を感覚的に照準し、AAMやセミアクティブレーザー誘導兵器を発射することができるようになっている。従来、短距離AAMはシーカーの範囲内に敵を捉えてからしか発射できなかった。しかしSu-30MKIの兵装システムでは、レーダーや、赤外線イメージセンサとレーザー測距装置によって目標の大まかな位置を短距離AAMに伝達、短距離AAMはこの情報をもとに飛行することができる。これによって、発射時に短距離AAMが目標を捉えていなくとも目標を攻撃可能としており、ドッグファイトなどにおいて非常に大きなアドバンテージとなっている。
自己防御装置は、「統合防御処理装置」を中核に構成されている。レーダー警戒受信機、レーザー警戒受信機、紫外線ミサイル警報装置、ミサイル妨害装置、チャフ・フレアディスペンサ、曳航式デコイを統合している。レーダー警報受信機は敵戦闘機やミサイルのレーダー波を検出して警告を行う。レーザー警戒受信機はレーザーが照射されていることを検出して警告を行う。紫外線ミサイル警報装置は、接近してきたミサイルを紫外線領域で発見する。ミサイル妨害装置は、ECMによって敵ミサイルを妨害するものである。チャフ・フレアディスペンサは敵ミサイルに対し、チャフとフレアを展開する。曳航式デコイは、受信した電波を増幅して返すことで、母機の位置を欺瞞し敵ミサイルを誤った位置に誘導する。
通信システムとして、地上の施設を介さずに機体間で戦術情報を共有可能な編隊内データリンクシステムのデータリンク端末を搭載している。
機体
カナード翼、主翼、水平尾翼の三面翼形態を採用している。高い機動性を実現するためにブレンデッドウィングボディを採用している。主翼前縁にはフラップが、後縁にはフラッペロンが、主翼前縁の付け根からコックピットの下部までフィンが取り付けられており、機体前方において強い揚力を発生させて大きな迎角での飛行を可能としている。 これらの機体形状により、後述する推力偏向ノズルと合わせ、Su-30MKIは重量級戦闘機とは思えないほどの優秀な機動性を有している。
8tもの武装を搭載できるようにするため、Su-30MKIでは機体に広範にチタン合金を採用し、その強度を高めている。これによりSu-30MKIのベースとなったSu-27と比較して機体重量は増加したが、後述するように、より強力なエンジンを搭載して対応している。
コックピットは直列複座型である。前方が操縦士官、後方が兵装担当士官の座席となっている。
8tもの武装を搭載できるようにするため、Su-30MKIでは機体に広範にチタン合金を採用し、その強度を高めている。これによりSu-30MKIのベースとなったSu-27と比較して機体重量は増加したが、後述するように、より強力なエンジンを搭載して対応している。
コックピットは直列複座型である。前方が操縦士官、後方が兵装担当士官の座席となっている。
エンジン
Su-30MKIは強力な推力を発揮するAL-41を2基搭載している。これはMiGの試作機1.44に搭載されたものと同じで、インド空軍が次期軽戦闘機に選定したテジャスもこれと同じエンジンを採用している。エンジンを共通化することで部品コンポーネントの調達のしやすさやコスト、整備性を向上させている。ドライでおよそ120kN、アフターバーナー使用時でおよそ175kNの高出力を発揮するこのエンジンによって、Su-30MKIは超音速巡航能力を備えている。
このエンジンはいくつかの特徴を有している。第一の特徴は、可変サイクルエンジンであることである。これにより、AL-41を搭載するSu-30MKIでは、低速時にはターボファン、高速時にはターボジェットへと切り替えることができる。第二の特徴は、推力偏向ノズルを搭載することである。AL-41は、ピッチ方向に15度、ヨー方向に8度の推力偏向が可能な推力偏向ノズルを有しており、これによりSu-30MKIは優れた機動性とSTOL性を有している。
このエンジンはいくつかの特徴を有している。第一の特徴は、可変サイクルエンジンであることである。これにより、AL-41を搭載するSu-30MKIでは、低速時にはターボファン、高速時にはターボジェットへと切り替えることができる。第二の特徴は、推力偏向ノズルを搭載することである。AL-41は、ピッチ方向に15度、ヨー方向に8度の推力偏向が可能な推力偏向ノズルを有しており、これによりSu-30MKIは優れた機動性とSTOL性を有している。
テジャス
概要
テジャスはインド空軍が運用する軽多目的戦闘機。長距離多目的戦闘機であるSu-30MKIとハイローミックス運用される戦闘機で、ローに相当する機体である。インドの国産戦闘機として開発されており、テジャスは「火」「光り輝く」を意味する言葉で、旧式化したMiG-21を代替することを目的としている。
詳細な能力
兵装
テジャスは固定武装として、旧東側戦闘機で一般的に使用されていたGSh-23ガスト式機関砲を搭載している。GSh-23は23mm口径の航空機関砲であり、2つの砲身が交互に弾丸を発射する独特の作動機構を有している。この機構により、毎分3600発のレートで弾丸を発射することができ、なおかつ重量は50kgと、ガトリング砲と比較して遥かに軽量である。通常は、曳光徹甲弾と徹甲焼夷弾を混合した鋼製のベルトリンクを用いて給弾するが、場合によってはミサイルの回避のため、チャフ弾やフレア弾を搭載することができる。
ハードポイントは主翼下に6か所、主翼端に2か所、胴体下に2か所の合計10か所である。翼端の2か所は短距離AAMまたは電子戦ポッドのみ搭載可能である。
中距離空対空ミサイル(AAM)としては、ロシア製の中距離AAMであるR-27系列とR-77系列のミサイルが使用可能である。R-27は西側のAIM-7スパローに、R-77は西側のAIM-120AMRAAMに類似した特性を持つミサイルである。特に強力なのは、R-77M-PDと呼ばれるラムジェット推進型の中距離AAMで、およそ160kmの射程を有している。なお、現在インド空軍は「アストラ」と呼ばれる射程180km~200km級のラムジェット推進式中距離AAMを開発中で、この「アストラ」もテジャスには装備可能とされている。
短距離AAMとしては、同じくロシア製のR-73系列が使用可能である。R-73は中心線±45度の視野角を持つ赤外線誘導式の短距離AAMだが、機体側の赤外線捜索追尾システム及びヘッドマウントディスプレイからなる照準システムとリンクすることによって、オフボアサイト射撃能力を有している。また、2000年よりインドが開発を進めている「ナーガ」短距離空対空ミサイルについても、テジャスに統合可能とされている。
空対地ミサイルとしては、ロシア製のKh-25、Kh-29、Kh-58、Kh-59が、空対艦ミサイルとしてはロシア製のKh-31、Kh-35がそれぞれ搭載可能である。この他、対戦車ミサイルまたは対舟艇ミサイルを搭載した多連装ランチャーや、各種ロケット弾専用のポッドを搭載することもできる。
爆弾としては、100kg、250kg、500kg、1500kgの各種誘導/無誘導の爆弾を使用可能である。誘導爆弾を使用する際には、後述する照準用のポッドを使用する。これに加えて、核出力0.5~250ktの威力可変型の軽量核爆弾(重量およそ250kg)が搭載可能である。
ガンポッドとしては、GSh-30-2機関砲を搭載できる。GSh-30-2は30mm口径の航空機関砲であり、2つの砲身が交互に弾丸を発射する独特の作動機構を有している。3000発/分の発射レートで30×165mm弾を発射することができる。通常は対装甲用の徹甲焼夷弾と軟目標用の焼夷榴弾を1:4の割合で混合した弾薬ベルトを使用する。
SEAD任務にも対応するため、翼端の短距離AAM用レールにSu-34などと同様の「ヒービヌィ」ジャミングポッドを搭載可能である。
武装は最大で4000kgまで搭載することができる。
ハードポイントは主翼下に6か所、主翼端に2か所、胴体下に2か所の合計10か所である。翼端の2か所は短距離AAMまたは電子戦ポッドのみ搭載可能である。
中距離空対空ミサイル(AAM)としては、ロシア製の中距離AAMであるR-27系列とR-77系列のミサイルが使用可能である。R-27は西側のAIM-7スパローに、R-77は西側のAIM-120AMRAAMに類似した特性を持つミサイルである。特に強力なのは、R-77M-PDと呼ばれるラムジェット推進型の中距離AAMで、およそ160kmの射程を有している。なお、現在インド空軍は「アストラ」と呼ばれる射程180km~200km級のラムジェット推進式中距離AAMを開発中で、この「アストラ」もテジャスには装備可能とされている。
短距離AAMとしては、同じくロシア製のR-73系列が使用可能である。R-73は中心線±45度の視野角を持つ赤外線誘導式の短距離AAMだが、機体側の赤外線捜索追尾システム及びヘッドマウントディスプレイからなる照準システムとリンクすることによって、オフボアサイト射撃能力を有している。また、2000年よりインドが開発を進めている「ナーガ」短距離空対空ミサイルについても、テジャスに統合可能とされている。
空対地ミサイルとしては、ロシア製のKh-25、Kh-29、Kh-58、Kh-59が、空対艦ミサイルとしてはロシア製のKh-31、Kh-35がそれぞれ搭載可能である。この他、対戦車ミサイルまたは対舟艇ミサイルを搭載した多連装ランチャーや、各種ロケット弾専用のポッドを搭載することもできる。
爆弾としては、100kg、250kg、500kg、1500kgの各種誘導/無誘導の爆弾を使用可能である。誘導爆弾を使用する際には、後述する照準用のポッドを使用する。これに加えて、核出力0.5~250ktの威力可変型の軽量核爆弾(重量およそ250kg)が搭載可能である。
ガンポッドとしては、GSh-30-2機関砲を搭載できる。GSh-30-2は30mm口径の航空機関砲であり、2つの砲身が交互に弾丸を発射する独特の作動機構を有している。3000発/分の発射レートで30×165mm弾を発射することができる。通常は対装甲用の徹甲焼夷弾と軟目標用の焼夷榴弾を1:4の割合で混合した弾薬ベルトを使用する。
SEAD任務にも対応するため、翼端の短距離AAM用レールにSu-34などと同様の「ヒービヌィ」ジャミングポッドを搭載可能である。
武装は最大で4000kgまで搭載することができる。
アビオニクス
テジャスは当初米国製のアビオニクスを搭載する計画であったが、1998年にインドが実施した核実験の制裁として米国のチームが撤退し、かなわなかった。その後インドが共産化してロシアに急速接近したことにより、テジャスにはロシア製のアビオニクスが搭載された。
テジャスの「目」となるレーダーは、ロシアのMiG-29の改良型であるMiG-29Mの9.61規格型にも搭載されたジュークMをインドが独自に改良したもので、「ジュークMI」と呼ばれている。ジュークMIはRCS5�崢�度の目標に対しておよそ120kmの探知距離があり、10目標を同時追尾しそのうちの4目標に空対空ミサイルを指令誘導することが可能である。中距離空対空ミサイル向けの「遠距離交戦モード」、短距離空対空ミサイル向けの「短距離交戦モード」、格闘戦時に使用され、走査角度を上下にも拡大して最初に発見した目標を自動でロックオンする「近距離交戦モード」、探知した目標のうち複数を指定して追尾し続ける「捜索中追尾モード」、反射波から目標を識別する「非協調目標認識モード」などの各種空対空モードを備える。さらに、長距離捜索モード、対地・対水上目標追尾モード、マッピング・距離測定モード、地形追従モード、ESMモードの5つの対地・対艦モードが用意されている。およそ25km先の移動する戦車部隊、およそ300km先の駆逐艦が検出可能で、地上や水上の2目標を同時攻撃することができる。ESMモードでは敵レーダー波を持続的に受信し、その発信源を特定する。主に、対レーダーミサイルの発射に使用される。特徴的なのは、各パーツがモジュール化されていることで、これによって整備とアップグレードが容易になっている。
テジャスではこれを補完するため、「先進光学照準装置」として開発された照準ポッドを備えている。このシステムは機首上面に設置されており、これを後述するヘッドマウントディスプレイ照準システムと組み合わせることで、オフボアサイトでのAAMの発射などが可能となる。ポッドは、前方監視型赤外線装置、高解像度赤外線イメージセンサ、レーザー測距装置、レーザー目標指示・追跡装置、衛星航法装置、映像データリンク装置を統合しており、180kgの重量がある。前方監視型赤外線装置は640×512ピクセルの解像度で、夜間に周囲の状況を確認することにも使用される。赤外線イメージセンサはアクティブとパッシブ兼用で、追跡時には140km先、ヘッドオン時には90km先の戦闘機サイズの目標のエンジンが発する赤外線を捕捉でき、前方監視型赤外線装置で探知した目標に対して、攻撃が可能な分解能を提供する。レーザー装置類は、およそ20kmの有効距離を持つ。装置は多くがモジュール化されており、整備性は非常に高い。
照準は、従来のヘッドアップディスプレイとともに、ヘッドマウントディスプレイを併用する。前述した光学照準装置により敵の方角と距離を測定したのち、パイロットはその方角を感覚的に照準し、AAMやセミアクティブレーザー誘導兵器を発射することができるようになっている。従来、短距離AAMはシーカーの範囲内に敵を捉えてからしか発射できなかった。しかしテジャスの兵装システムでは、レーダーや、赤外線イメージセンサとレーザー測距装置によって目標の大まかな位置を短距離AAMに伝達、短距離AAMはこの情報をもとに飛行することができる。これによって、発射時に短距離AAMが目標を捉えていなくとも目標を攻撃可能としており、ドッグファイトなどにおいて非常に大きなアドバンテージとなっている。
自己防御装置は、「統合防御処理装置」を中核に構成されている。レーダー警戒受信機、レーザー警戒受信機、紫外線ミサイル警報装置、ミサイル妨害装置、チャフ・フレアディスペンサ、曳航式デコイを統合している。レーダー警報受信機は敵戦闘機やミサイルのレーダー波を検出して警告を行う。レーザー警戒受信機はレーザーが照射されていることを検出して警告を行う。紫外線ミサイル警報装置は、接近してきたミサイルを紫外線領域で発見する。ミサイル妨害装置は、ECMによって敵ミサイルを妨害するものである。チャフ・フレアディスペンサは敵ミサイルに対し、チャフとフレアを展開する。曳航式デコイは、受信した電波を増幅して返すことで、母機の位置を欺瞞し敵ミサイルを誤った位置に誘導する。
通信システムとして、地上の施設を介さずに機体間で戦術情報を共有可能な編隊内データリンクシステムのデータリンク端末を搭載している。
テジャスの「目」となるレーダーは、ロシアのMiG-29の改良型であるMiG-29Mの9.61規格型にも搭載されたジュークMをインドが独自に改良したもので、「ジュークMI」と呼ばれている。ジュークMIはRCS5�崢�度の目標に対しておよそ120kmの探知距離があり、10目標を同時追尾しそのうちの4目標に空対空ミサイルを指令誘導することが可能である。中距離空対空ミサイル向けの「遠距離交戦モード」、短距離空対空ミサイル向けの「短距離交戦モード」、格闘戦時に使用され、走査角度を上下にも拡大して最初に発見した目標を自動でロックオンする「近距離交戦モード」、探知した目標のうち複数を指定して追尾し続ける「捜索中追尾モード」、反射波から目標を識別する「非協調目標認識モード」などの各種空対空モードを備える。さらに、長距離捜索モード、対地・対水上目標追尾モード、マッピング・距離測定モード、地形追従モード、ESMモードの5つの対地・対艦モードが用意されている。およそ25km先の移動する戦車部隊、およそ300km先の駆逐艦が検出可能で、地上や水上の2目標を同時攻撃することができる。ESMモードでは敵レーダー波を持続的に受信し、その発信源を特定する。主に、対レーダーミサイルの発射に使用される。特徴的なのは、各パーツがモジュール化されていることで、これによって整備とアップグレードが容易になっている。
テジャスではこれを補完するため、「先進光学照準装置」として開発された照準ポッドを備えている。このシステムは機首上面に設置されており、これを後述するヘッドマウントディスプレイ照準システムと組み合わせることで、オフボアサイトでのAAMの発射などが可能となる。ポッドは、前方監視型赤外線装置、高解像度赤外線イメージセンサ、レーザー測距装置、レーザー目標指示・追跡装置、衛星航法装置、映像データリンク装置を統合しており、180kgの重量がある。前方監視型赤外線装置は640×512ピクセルの解像度で、夜間に周囲の状況を確認することにも使用される。赤外線イメージセンサはアクティブとパッシブ兼用で、追跡時には140km先、ヘッドオン時には90km先の戦闘機サイズの目標のエンジンが発する赤外線を捕捉でき、前方監視型赤外線装置で探知した目標に対して、攻撃が可能な分解能を提供する。レーザー装置類は、およそ20kmの有効距離を持つ。装置は多くがモジュール化されており、整備性は非常に高い。
照準は、従来のヘッドアップディスプレイとともに、ヘッドマウントディスプレイを併用する。前述した光学照準装置により敵の方角と距離を測定したのち、パイロットはその方角を感覚的に照準し、AAMやセミアクティブレーザー誘導兵器を発射することができるようになっている。従来、短距離AAMはシーカーの範囲内に敵を捉えてからしか発射できなかった。しかしテジャスの兵装システムでは、レーダーや、赤外線イメージセンサとレーザー測距装置によって目標の大まかな位置を短距離AAMに伝達、短距離AAMはこの情報をもとに飛行することができる。これによって、発射時に短距離AAMが目標を捉えていなくとも目標を攻撃可能としており、ドッグファイトなどにおいて非常に大きなアドバンテージとなっている。
自己防御装置は、「統合防御処理装置」を中核に構成されている。レーダー警戒受信機、レーザー警戒受信機、紫外線ミサイル警報装置、ミサイル妨害装置、チャフ・フレアディスペンサ、曳航式デコイを統合している。レーダー警報受信機は敵戦闘機やミサイルのレーダー波を検出して警告を行う。レーザー警戒受信機はレーザーが照射されていることを検出して警告を行う。紫外線ミサイル警報装置は、接近してきたミサイルを紫外線領域で発見する。ミサイル妨害装置は、ECMによって敵ミサイルを妨害するものである。チャフ・フレアディスペンサは敵ミサイルに対し、チャフとフレアを展開する。曳航式デコイは、受信した電波を増幅して返すことで、母機の位置を欺瞞し敵ミサイルを誤った位置に誘導する。
通信システムとして、地上の施設を介さずに機体間で戦術情報を共有可能な編隊内データリンクシステムのデータリンク端末を搭載している。
機体
主翼は無尾翼のクランクドデルタ翼を採用している。全長はおよそ14m強、全幅はおよそ9m弱で、空虚重量はおよそ6800kgと、非常にコンパクトな戦闘機である。機体は炭素繊維複合材料を多用することによって、軽量かつ高強度に設計されている。テジャスは典型的な運動能力向上機で、意図的に機体を不安定にすることで機動性を高め、それを制御システムによって補っている。テジャスでは、ヨー・ロール・ピッチ全軸に4重の冗長性を有するデジタル式のフライ・バイ・ワイヤを導入している。
なお、改良型のテジャスIIでは、カナード翼を導入してさらに機動性を高めることが検討されている。
なお、改良型のテジャスIIでは、カナード翼を導入してさらに機動性を高めることが検討されている。
エンジン
テジャスは強力な推力を発揮するAL-41を搭載している。これはMiGの試作機1.44に搭載されたものと同じで、インド空軍が次期重戦闘機に選定したSu-30のインド向け仕様とエンジンを共通化することで部品コンポーネントの調達のしやすさやコスト、整備性を向上させている。ドライでおよそ120kN、アフターバーナー使用時でおよそ175kNの高出力を発揮するこのエンジンによって、テジャスは超音速巡航能力を備えている。
このエンジンはいくつかの特徴を有している。第一の特徴は、可変サイクルエンジンであることである。これにより、AL-41を搭載するテジャスでは、低速時にはターボファン、高速時にはターボジェットへと切り替えることができる。第二の特徴は、推力偏向ノズルを搭載することである。AL-41は、ピッチ方向に15度、ヨー方向に8度の推力偏向が可能な推力偏向ノズルを有しており、これによりテジャスは優れた機動性とSTOL性を有している。
このエンジンはいくつかの特徴を有している。第一の特徴は、可変サイクルエンジンであることである。これにより、AL-41を搭載するテジャスでは、低速時にはターボファン、高速時にはターボジェットへと切り替えることができる。第二の特徴は、推力偏向ノズルを搭載することである。AL-41は、ピッチ方向に15度、ヨー方向に8度の推力偏向が可能な推力偏向ノズルを有しており、これによりテジャスは優れた機動性とSTOL性を有している。
早期警戒管制機・早期警戒機
輸送機
攻撃ヘリ・輸送ヘリ
Mi-28N
Ka-52
無人機
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